5月1日、県内野党6党で県知事に新型コロナ対策の提言書を提出しました。

提言書については、県内6党で分担して、

  • 医師会
  • 商工会議所
  • 商店街
  • JA
  • 医療関係
  • 介護施設
  • 飲食業
  • 学生
  • ひとり親家庭
  • イベント業者
  • 被災者支援団体

などに聞き取り調査を行い取りまとめました。


熊本県知事蒲島郁夫 様

2020年5月1日

立憲民主党熊本県連合 代 表 矢上 雅義

国民民主党熊本県総支部連合 代 表 中山 弘幸

日本共産党熊本県委員会 委員長 松岡 勝

社民党熊本県連合 代 表 今泉 克己

新社会党熊本県本部 委員長 岩中 伸司

くまもと民主連合 代 表 鎌田 聡

 

新型コロナウイルス感染症から
  県民の命と暮らしを守る緊急提言

4月22日~24日、県内6野党は、新型コロナウイルス感染症問題で県民からの聞き取り調査を行いました。飲食店、理容店、商店街関係者、商工会議所、旅館、旅行業者、フリーラ ンス、シングルマザー、非正規労働者、医師会・医療関係者、学校、教育関係者、大学生、 農協関係者、熊本地震被災者など多くの県民から切実な声や要望を聞きました。すでに、3 月2日、県内6野党は、蒲島郁夫県知事に対して、新型コロナウイルス感染症への万全の対 策をとることを申し入れましたが、今回の聞き取り調査などを通じて、改めて、県民から切 実な声、要望が寄せられました。これらの切実な声、要望に対して、国、県がスピード感を 持って対応することが求められています。以下の点で緊急提言を行います。

1. 国の予算措置に対して、「全国知事会の緊急提言」(4月23日)もふまえて以下の要望を行うこと。

  • 国の責任として、「外出自粛・休業要請と一体の補償を行う」ことを求めるとともに「臨時交付金」(1兆円)の大幅増額を求めること
  • 「医療現場に対する財政支援がほとんどない」との声にこたえ、「緊急包括支援交付金」(1490 億円)の大幅増額、マスク、消毒用アルコール、防護服などの医療物資の調達、供給を国 の責任ですすめること。
  •  新型コロナウイルスの影響で患者が減少し、病院の経営が急激に悪化するとともに、感染 対策のための負担は増加している。国の責任でコロナ対応病院と一般患者病院それぞれに 対する財政支援をおこなうこと 
  • 検査体制の抜本的な改善・強化は緊急課題となっている。国の責任で PCR 検査センターを 各地につくり、その予算を具体化すること
  • 雇用調整助成金の手続きの簡素化を図り、敏速に支給されるように改善をはかるとともに一日あたり労働者8330円という上限を大幅に引き上げること 
  • 国の「持続化給付金」は、「売り上げが半減以上」の条件がついている。支給要件を緩和して対象を広げるとともに、一回だけでなく、複数回支給することを求めること 
  • 事業者に対する家賃、リース料などの固定費支援を国に求めること
  • コロナ問題で学生アルバイトもなくなり窮状に陥っている学生の支援を国の対策に位置づけること

 2、 県民の切実な声、要望にこたえた県独自の対策について 

(1) 外出自粛・休業要請と一体の補償で県民の生活・営業を守る支援を事態の収束まで継続的に行うこと 

①4月21日県発表の「休業要請にもとづく事業者の支援」(42億円)についての提言
  •  休業要請協力金と事業継続支援金を大幅に増額し、対象を拡大すること
  •  外出自粛によって売上に影響が出ている飲食店への支援金と国の持続化給付金で対象にな らない事業者など(最近開業して前年や前月と売上が比較できない事業者、売上減少 30% 未満の事業者)に対する支援金を県独自で支給すること 
  • 県が休業要請したネットカフェについては、「休業したネットカフェの宿泊者に県営住宅の無料提供」(兵庫県)など県の責任で宿泊場所を確保すること
②熊本市は独自に休業・時短事業者に家賃8割補助を決めている。県としても対象者を広くして家賃、リース料などの固定費支援を行うこと
③固定資産税の減免を行うこと
④イベント中止、延期によるキャンセル料、会場費などの必要経費を補てんすること
⑤働く女性、シングルマザー支援について
  •  兵庫県明石市で支給している児童扶養手当の緊急支援金(5万円)を参考にして県も緊急支援金を創設すること
  •  生活福祉資金貸付制度や住宅確保給付金、フリーランスも対象とされる持続化給付金など、 くらしの維持に緊急に必要となる支援が迅速に受けられるよう、県として柔軟な対応をす ること
  •  学校休業が続くもとで「小学校等休業対策助成金」を活用して労働者が特別の有給休暇取 得できるよう県として制度の周知と手続きの迅速化、柔軟な対応をすること
⑥農家の支援について 
  • 肉用牛肥育経営安定交付金制度(牛マルキン)で補てんできない肥育農家分(一割分)を県単独事業で支援すること(鳥取県、京都府の補正予算案で具体化)
  • 学校給食に農産物を納入している農家の損失を補てんすること
  • コロナの影響でスイカ農家、メロン農家の収入が減少しているので、支援の具体化を
⑦観光業の支援について
  •  固定資産税の減免を 
  • コロナ収束後活用できる「未来の宿泊券」「エリア限定の旅行券」に対する助成を行うこと
⑧交通や物流、流通等の休業できない業種で働く人の感染防止対策を支援すること
⑨県復興基金を活用して災害復興住宅の家賃の減免、猶予を行なうこと。
被災者は、4月から新たに家賃の負担が増えた上にコロナ危機で収入減も予想されるので 家賃の減免、猶予を検討すること 
⑩被災者やホームレスを支援してきた民間団体に対する助成を
コロナ問題で雇用情勢が悪化し、失業者の増加が想定される。生活困窮者の居場所づくり として、これまで被災者やホームレスを支援してきた民間団体が自立シェルターを確保し たり車中泊者への聞き取り調査や食事提供を行う準備をしているので助成を行うこと 
⑪感染者の居住地公表について
県民がより感染予防・防止に努めることや不安感解消の観点から、感染者の居住地公表に ついては、現行の保健所単位を改めて、九州各県と同様に市町村単位で公表すること 
⑫ワンストップ相談窓口の設置について
  • 新型コロナウイルス対策に関する県民の様々な相談・要望に対応できるワンストップ窓口 を設置すること
  •  飼い主が感染した場合のペットの預かりについて早急に相談対応窓口を明確にすること

 (2) 院内感染、医療崩壊を止めるため、県独自にPCR 検査体制を強め、医療現場に対する財政的支援を行う

①医療機関で不足するマスク、フェイスシールド、消毒液など医療物資への財政支援を急いで行うとともに医療従事者の同居家族の感染を避けるための宿泊施設の提供を行うこと
②ドライブスルー方式など PCR 検査センターを県独自に設置すること 
③感染症対策病院への人的・財政的支援を行うこと
④行政が情報を積極的に発信し、医療従事者への差別、偏見対策をとること 
⑤県独自の対応として、それぞれの医療機関まかせとすれば、感染が爆発的に拡大した場合、 医療体制は崩壊する危惧がある。様々なケースを想定しながら、県内の専門家を結集して 医療機関への支援や連携などの対策を早急に具体化すること 

(3) 介護・障害者施設の感染防止と事業所の損失と負担の補償を

①介護事業所、障害者施設について、不足しているマスク、防護服、消毒液などを優先的に供給すること 
②高齢者や障がい者を持つ家族を介護している方が感染した場合の対応、介護事業所が感染した場合の事業所を越えたヘルパーの相互支援について早急に検討すること
③現場の声にもとづき、障害者施設への県独自の支援策、具体的な支援策をまとめること 
④受給者証の利用制限の緩和・延長を

(4) コロナ対策でのジェンダー平等の視点を重視する

①外出自粛によって増加が懸念されるDVや子どもの虐待に対して、相談・支援体制の拡大と緊急避難先の確保につとめること
②DV被害者の10万円給付について 一人 10万円の特別給付金は、住民票が現在の居住地にない DV (パートナー間暴力) 被害者 が加害者に居場所を知られることなく受け取ることができ、4月30日までの申請期限を過 ぎても受け付けることをDV 被害者に周知・徹底すること。 
③コロナ感染症問題が妊婦にさまざまな影響と不安を広げているので、ネットや電話での特 別な相談体制をとること、妊婦検診の時に PCR 検査を全員に実施し、その費用を無料にす ること 
④保護者が感染して子どもの面倒を見る人がいない家庭への対応について児童相談所や養護施設での預かりについて早急に検討すること 
⑤学童保育の支援員の負担軽減に向けて、市町村を越えた支援員の相互支援の仕組みづくり とマスク・消毒液などの感染予防資材の確保に取り組むこと

 (5) 学校休校にともなう諸問題について、専門家の意見も聞きながら対応をはかること

①子どもの学習について
熊本市がタブレットなどによる学習を推進するなどの動きもあり、県の責任で、学校休校 中に誰もが公平にICT教育を受けることができるように全児童・生徒にタブレットなどを 準備すること 

②子どもの心のケアについて
相談窓口を設置するともに、養護教諭やスクールカウンセラーなどによる支援など児童生 徒の心のケアに配慮すること

 ③子どもの栄養について
給食が休止されているので、子どもたちに栄養のある食事が確実に提供されるように手だ てをとること 

④放課後デイサービスに対する支援を行うこと

 (6) 学生への支援について

①アルバイトもできない生活困窮の学生に対して、県独自に給付型奨学金を新設すること
②県立大学の学費の減免を実施すること
③親からの支援を受けずに完全に自活している学生がアルバイト先の休業によって収入減 で家賃の支払いができなくなっている場合にも、厚労省は「住居確保給付金」の対象にな ることを認めている。県はこのことを周知・徹底すること

 (7) 社会福祉協議会の生活福祉資金の緊急小口貸付の運用改善をはかること

 熊本県は、熊本地震の特例貸付の滞納がある人は半分以上返済していなければ借りること ができない対応をしている。コロナ問題で収入が減少して非常にきびしい生活を強いられている県民が、今を乗り越えられるように、残債があっても貸付を認めるように運用を改 善すること

3、新型コロナウイルス感染から県民の命と暮らしを守るため、緊急の予算措置の提言

  • 2020年度一般会計「肉付け予算」(9月議会)の編成方針は、空港アクセス鉄道事業・立野 ダム建設費(県負担分)など不要不急の大型開発の予算を緊急に見直すことを前提にし、 直ちにコロナ対策のための補正予算を組むこと
  • 2020 年度当初予算の中で、「不要不急の事業」の思い切った見直しを行い、コロナ感染対策の財源に充てること。 ・コロナの感染から県民の命と暮らしを守るための緊急の財源措置として、民間の金融機関 からの借り入れ、県債の発行を検討すること

以上